プロ野球で数々の記録やタイトルを獲得され、引退後は福岡ソフトバンクホークスで監督として何度もチームを優勝に導いてこられた工藤公康さんの『未来をひらく81の思考』を読みました。
工藤公康さんは説明不要のプロ野球界のレジェンドで、選手時代はもちろん監督としても持ち前のリーダーシップと勝負勘でチームをリーグ優勝、日本一に何度も導いてこられました。
厳しいプロ野球の世界を生き抜いてこられたのは、常に考え、努力を重ねてこられたからであり、監督としてもそのスタイルを変えずに成功をおさめられてきました。
著者「工藤公康」さんについて
工藤公康さんがすごいのは、移籍するチームを優勝に導くことはもちろんですが、在籍するチームのウィークポイントに応えるように、チームにフィットするように柔軟に役割をまっとうされてきたことにあると思います。
先発としてはもちろん、中継ぎが手薄なチーム事情においてはその役割を担われたりと常にチームの勝ちに貢献をされています。
また、引退後は報道ステーションのスポーツキャスターとして、適格な解説や温かい人当たりで解説者としても人気がありました。
どんな世界、役割でも柔軟に対応される工藤公康さんですが、そのためには色々と自分なりの考え方を突き詰め、努力をしてこられたことだと思います。
そんな要素がこの本の中には書かれています。すこしだけご紹介をしたいと思います。
伝わる努力をする。(相手を想う)
自分の発言や言動がどのように伝わるか?どのような意味を成すのか?どのように受け取る可能性があるのか?を十分に整理することが大切だ。
引用:未来をひらく81の思考_P103
人間はどうしても自分の意見を相手に理解してもらいたいと思います。自分にとって当たり前であることは相手にも当たり前だと勝手に思い込んでしまいます。
工藤公康さんは、そもそも自分と相手では育ってきた環境や経験してきたことが違うことをよく理解して伝えなければならないと言われています。
同じ言葉で同じニュアンスで言ったととしても、人により受けり方は様々であると。
なので、相手に何かを伝える、理解してもらい時には、言葉足らずになっていないか。相手のバックグランドや性格を踏まえて話ができているかなどに注意を払いながら伝えることが大切である。と言われています。
頭の整理をする。(書くことを習慣に)
アイデアが浮かんだり、ここから先に大事な試合が続く、もしくは自分の中でやりたいことがあったりする時、すぐに行動したり、浮かんだアイデアを人に伝えたりする前には、その思ったこと、大事なこと、これからのことを、まずは書くということを習慣にした。書くことで、実際に行動した時の様子をイメージしやすくする。足りないことや必要なことなど、書きながらまた新しいアイデアが浮かんでくることもある。
引用:未来をひらく81の思考_P134
書くことの大切さは、自分の意見をまとめることができることと言われています。
書くことで話をするよりも自分の頭が整理され、より相手に伝えたいこと、自分がどう感じているいるかを整理することができます。また、後から見返した時に、今の自分との気持ちの変化などについてより理解が深められると思います。
”どうにかなる”はどうにもならない。
どうにかなるという思考は、時には必要な思考なのかもしれない。しかしそれは、本当にそこまで追求し続け、深堀りをしていった人が持てる思考だと思っている。
引用:未来をひらく81の思考_P198
”どうにかなる”という考え方は考えに考えた人が持つべき思考で、最初から”どうにかなる”という思考を持つことは、やるべきことをやっていないにも関わらず、逃げの選択肢を選ぶことになります。ですので、”どうにかなる”と考える前には、十分に考え抜き、もう考えることができそうにないと思った段階で持っていい思考ということになります。
良くなるためにできることはないか?
工藤公康さんの『未来をひらく81の思考』を読んで思ったことは、野球でも仕事でも人生において、成功や成長できるためにできることはないかを考え、試行錯誤を繰り返しながら生きていくことが大切なんだと築かされました。
厳しいプロ野球の世界でここまで結果を残し続けるには、この思考が必要であったのだと感じました。これは思考は、プロ野球選手のような特殊な環境の人だけが持つべき思考ではなく、仕事や社会で前を向いて生きていくためにとても役立つ考え方だと思います。
この本にはそんな前向きになれる考え方に要素が詰まった一冊になっています。是非一度読んでみて下さい。
工藤公康さんは現在、福岡ソフトバンクホークスの監督を辞められましたが、いずれプロ野球世界に戻ってこられることでしょう。これからも注目、応援していきたいと思います。
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