こんにちはmame(夫)です。
『人生は「4000週間」しかなく、この限られた時間をどう過ごすのか?』
オリバー・バークマンの『限りある時間の使い方』は、全米でベストセラーとなり、ひろゆきさんやオリエンタルラジオの中田敦彦さんも絶賛する良書と言われています。
今日はそんな『限りある時間の使い方』の【書評・感想】をまとめてみます。
目次
こんな人は読んでみて
- 自分の人生こんなはずじゃなかったと思ってしまっている人
- 効率性や生産性を上げて自分時間を確保したいと思っている人
- 自分に自信が無い人
はじめにこの本を手に取った時は、本のタイトルからも推察されるように、生産性を上げるためのテクニック本かと思いました。それは、巷にあふれる効率性や生産性を紹介する本があまりにも多すぎてこの本もその一種だと思ったからです。
しかし
いきなりですがこの本は時間を効率的に使うノウハウを教える、いわゆるタイムマネジメントの本ではありません。その逆で、生産性を高めても自分時間を確保することは不可能である。その事実を受け入れる勇気を持つことを推奨するための本になります。
本を読んでみての感想(おすすめポイント)
ポイント1:生産性は高めなくていい。現実を直視することが大切。
人間の人生は80歳まで生きるとすれば、たった4000週間しかありません。
この『限りある時間の使い方』ではイントロの話として人間の人生は4000週間しかないことにふれています。そして、その短い人生をいかに有意義に過ごすかを意識した時に、効率性や生産性という魅力的な生き方を求めてしまいます。
しかし、どれだけ効率的に家事をこなしても、生産性を高めて仕事をこなしたところで、余裕のある時間はいっこうにやってこない経験は皆さんもされたことがあると思います。
時間を効率的に使えば、平穏な時間や余裕のある生活が待っているという理想をいだくことは現実逃避していること、また、自分が本気を出せばそれが実現できると思い込んでいること自体がうまくいかない原因だと著者は言われています。
実際には
”やりたいことを全てやる時間はない”
”体力や才能、その他のいろいろなリソースが足りない”
”限られた時間の使い方さえもコントロールできない”
といったように理想に近づくことさえできません。仮にタスクを効率的にこなしたとしてもそれを補うように違うタスクがまた襲い掛かってきて、余裕のある時間はいつまでたっても与えてもらえない。
制約に逆らうかわりに味方につける
やらなければならないタスクをすべてこなすことは不可能。自分には限界がある。その事実を受け入れれば人生はもっと生産的で楽しいものになるということを理解することが大切だと著者は言います。
たしかに、全てをこなすことを前提に考えること自体が間違っているのかもしれません。
全てをやることは不可能であるという現実を直視することができれば気分的にも楽になることができ、その方がかえって余裕が生まれることになりそうです。
必要なのは効率を上げることではなく、その逆だった
すべてを効率的にこなそうとするのではなく、すべてをこなそうとする誘惑に打ち勝つことが必要だったのだ
引用:限りある時間の使い方 P63
ポイント2:本当の敵は自分の内側にいる?
僕たちにできる最善のことは、不快感をそのまま受け入れることだ。
重要なことをやり遂げるためには、思い通りにならない現実に向き合うしかない。その事実を受け入れ、覚悟をきめることだ。
引用:限りある時間の使い方 P131
本の中でアメリカ人が真言宗の僧侶になるために日本にきた話があります。
そのアメリカ人は高野山で修業をしましたが、長い修行の日々の中で冷水で身を清める修業は想像を絶するものでした。いつもその修業の時には意識を他のことにそらすことを考えていました。
人間は肉体的な苦痛に直面した時に人は、本能的にその感覚から気をそらそうとします。
注射を受ける時に壁にあるポスターに集中する行為や、疲れた時にスマホなどを見る行為などがそれにあたります。無意識のうちに逃げ道を探してしまいます。
しかし、いったんその逃げ道から注意が途切れると、再び苦痛がやってきて再び苦しくなります。そのことに気づいたアメリカ人は、その苦痛となる根源から逃げずに、意識を集中させることで、苦痛にのみ込まれずにすむことを発見します。
問題は、その活動そのものではなく、自分の心の中の抵抗にあったということです。
日常のやらなければならないタスクをこなさなければならないというプレッシャーから人は逃げたくなります。ただ、逃げてばかりでは解決せずに結果「こんなはずではなかった」とうい気持ちになってしましいます。
現実逃避せずにありのまま受け入れる
著者は、難しいタスクを落ち着いてやり遂げるには、完璧に没頭できる状態を夢見るよりも、嫌な気持をそのまま認めた方がいい。苦痛や退屈を否定せず、今起こっていることをそのまま見つめた方がいいと言います。
できない自分を受け入れてあげることが大切だということです。
ポイント3:忍耐を身につけるためには3つのルールがある
生産性を上げるために必要なこととして、できない自分をありのまま受け入れることが大切になってきます。ただ、できない自分を受け入れることは結構苦痛だと思います。
難しい問題に直面した時、未解決の状態に耐えられず、とにかく最速でどうにかしたいと思う。コントロールできないという不快感を逃れるためなら、本質的な解決策でなくても気にしない。
うまくいくかをじっと見守るよりも、さっとやめたほうが気持ちが楽になるからだ。
引用:限りある時間の使い方 P209
ここで必要になってくるにが『忍耐』です。忍耐を身につけるためには3つのルールがあると筆者は言います。
問題がある状態を楽しむ
まずは「すべての問題を解決済にする」という不可能な状態を諦めることが必要であると著者はいいます。問題があることは問題であるという感覚を捨てる。逆に問題の無い人生なんて意味がないという考えです。
タスクがあるとすべてこなしたくなるという意識を捨てることが大切です。
小さな行動を着実に繰り返す
成功するまで終わらない、長い時間をかけて問題に挑み続けるより、途中で投げ出してもまた何度も挑戦する方が忍耐の筋肉が鍛えられると著者は言います。ほんの少しの量を毎日続けることでいいのです。
途中で思いきってやめることで、忍耐の筋肉が鍛えられ、何度もプロジェクトに戻ってくることができる。その方が長期的に見れば、ずっと高い生産性を維持できる。
オリジナルは模倣から生まれる
失敗しても何度も粘り強く挑戦し続ける。
粘り強く、技術を磨き、経験を積むことが成功への近道なんだと思います。
かけがえのない成果を手に入れるには、たっぷりと時間をかけることが必要と筆者は言います。
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